側湾症へのアプローチ


当院ではフィシオエナジェティック®によって症状の原因を調べています。フィシオエナジェティック®では、腕の長さの変化となって現れる体の反応を読み取りながら治療を進めていきます。これをARテスト(腕長反射)と言います。

※当院では医師のような病気の診断や医療行為はできません。フィシオエナジェティック®はあくまで代替療法であり、現代医学で認められていない事をご了承下さい。


側弯症は機能性側弯症と構築性側弯症の2つに分類されます。

機能性側弯症とは、背骨(椎骨)には変形がなく、軽度の湾曲で改善が比較的用意で、消失も可能なものです。カイロプラクティックやオステオパシーなどの民間療法で対応できるのはこのタイプの側弯症です。

構築性側弯症とは、椎骨の変形があり、改善は非常に難しいか、ほぼ改善不可能です。最も代表的なものが思春期の女性に発症する事が多い、「思春期特発性側弯症」です。特発性とは「原因不明」という意味であり、思春期特発性側弯症の原因は病名のとおり不明です。しかし、まだ仮説の域を出ていないのですが、遺伝、メラトニンの分泌不足、女性ホルモンの分泌、低体重(具体的にはBMI指数18.5未満)が関係している事まではわかってきています。

思春期特発性側弯症は一般的なカイロプラクティックやオステオパシーで良くなる可能性はまずありません。定期的に病院に行く事が絶対に必要です。ただし、その原因として考えられているメラトニンの分泌不足、女性ホルモンの分泌、低体重などに対しては、当院でも栄養療法や心理療法などでアプローチする事はできます。

側弯症の人によくみつかる問題

  • 固有感覚の異常
  • 舌骨のズレ
  • 顎関節矯正の必要性
  • 骨盤矯正の必要性
  • 片側の筋肉の弱化(大腰筋や中殿筋など)

固有感覚の異常による側弯症について

姿勢の制御は、視覚と前庭感覚と固有感覚の共同作業によって行われています。

※前庭感覚:内耳の前庭にある感覚受容器で感じとっている感覚。
※固有感覚:筋肉や関節や靭帯にある感覚受容器で感じとっている感覚

例えば固有感覚に異常があると、視覚や前庭感覚が固有感覚の働きを補おうとしますが、補いきれなくなると視覚や前庭覚も異常を起こすようになります。そしてミッドライン(中心軸)が乱れ、身体は捻れたり傾いたりした姿勢になります。

頚部の固有感覚の異常に対しては手技療法にてアプローチする事もあるのですが、全体的な固有感覚の異常ためにはエクササイズ(バランスディスクやバランスボールなどで)や舌骨の調整などを行う事が多いです。

片側の筋肉の弱化による側弯症について

機能性側弯症の人に筋肉テストをすると左右のどちらかが弱化した筋肉が複数見つかる事があります。

片方だけ弱化している原因はARテストで調べます。その結果、骨盤・脊椎の矯正が必要な事もあれば、心理療法が必要な事もあれば,栄養療法が必要な事もあります。

私は歪んでいるからといってすぐ骨盤や脊椎を矯正するような事はしません。必要がある場合に必要な部位だけに的確に矯正をしています。

思春期特発性側弯症のお子さんをお持ちの方へ

冒頭にも書きましたが、遺伝、メラトニンの分泌不足、女性ホルモンの分泌、低体重(具体的にはBMI指数18.5未満)が関係している事まではわかってきています。

遺伝病が発症するかしないかは、エピジェネティクスというものが深く関係しています。親から悪い遺伝子を受け継いだとしても、メチル化が正常だと遺伝病の発症率を抑える事ができます。

またメラトニンの合成にもメチル化が関係しています。メチル化に異常があるとメラトニンが合成できません。メラトニンは性腺刺激ホルモンを抑制する働きがあるので、メラトニンの分泌不足があれば性腺刺激ホルモンの抑制が外れて、女性ホルモンの分泌異常が起こりやすくなります。

そして、メチル化は栄養療法の基本的な事、例えば、腸内環境、重金属、活性酸素などの対策を行うだけでも正常化する事があります。

思春期特発性側弯症に特徴的な低体重に関しては、心理面へのアプローチが必要なお子さんもいるかもしれません。特に、健康的な体重(BMI指数で最低でも18.5以上)に対してネガティブな気持ちがあるお子さんや、ストレス性の食欲不振があるお子さんなどは心理面のケアが必要です。