体臭・わきが・口臭に対する当院のアプローチ


当院ではフィシオエナジェティック®によって症状の原因を調べています。フィシオエナジェティック®では、腕の長さの変化となって現れる体の反応を読み取りながら治療を進めていきます。これをARテスト(腕長反射)と言います。

※当院では医師のような病気の診断や医療行為はできません。フィシオエナジェティック®はあくまで代替療法であり、現代医学で認められていない事をご了承下さい。


体臭の原因として考えられるもの

  • 腸内環境の悪化
  • 肉食
  • 高タンパク食によるアンモニアや硫化水素
  • ピロリ菌によるアンモニア臭
  • 消化力の問題
  • 歯周病・口腔内嫌気性菌による口臭
  • 皮脂の酸化
  • 断食や糖質制限によるケトン臭
  • 糖尿病や魚臭症などの病気
  • 精神性発汗
  • 自臭症

これらについて1つ1つ説明します

1.腸内環境の悪化

腸内環境が悪玉菌優勢になると確かに臭いがする事があります。特にカンジダ菌はアセトアルデヒドという刺激臭を放つエタノールの代謝産物を産生します。

↑カンジダ菌。左側が病原性の高い「菌糸形」。右が「酵母形」(画像はwikipediaより)

私のところに来院された方で、一番凄かった人は、私の目に突き刺すような刺激を感じるもの凄い体臭がの方がいて、その方が部屋から居なくなってから5分間くらい換気しないと部屋に臭いが残る方がいました。その方は、カンジダの除菌を始めとする腸内環境の改善によって、あくまで私の嗅覚では臭いは全く感じられなくなりました。

腸内環境の改善のためには、悪玉菌の除菌のためにARテストによって選んだハーブサプリメントの使用をアドバイスする事も多いのですが、こういった除菌サプリは善玉菌も減らしてしまうので、だいたい2週間くらいの期間限定で使用する事が大切です。

体臭が気になる方の中には、こういった除菌サプリをかなり長期間飲んでいる方が時々いらっしゃるのですが、善玉菌が減少してしまい、かわりにそのサプリに耐性のある悪玉菌が増える可能性があるので逆効果です。また除菌サプリを使わなくても、善玉菌を増やすサプリメントだけで悪玉菌の除菌ができる場合もあるので、可能ならそのような方法をとります。

私の場合、第一候補としてプレバイオティクス、つまりフラクトオリゴ糖やイヌリンなどの善玉菌の餌になるものから選びます。プレバイオティクスの中に効果的なものがない場合は、プロバイオティクスを使いますが、ロイテリやアシドフィルスを選択する事が多いかなと思います。

また、IgAという免疫が減少していたり、胃酸や胆汁の分泌が悪いと除菌してもまたすぐにカンジダや悪玉菌が増加してきます。IgAという免疫を増やすには、健全な腸粘膜が必要なのでリーキーガットの治療がIgAを増やすことにも繋がります。そのためにはグルタミンというアミノ酸サプリやビタミンAなどをアドバイスする事が多いです。またストレスによってIgAは減少するので精神心理の問題に取り組む必要性もあるかもしれません。

胆汁の分泌にはホスファチジルコリンや胆汁酸などのサプリメントが必要な人もいます。胃酸の分泌不足はベタインHCLという置き換え可能のサプリメントを使うのも良いのですが、多くの場合ストレスによって胃酸の分泌が悪くなるので、やはり精神心理の問題に取り組む必要性があるのかもかもしれません。

2.肉食

肉を食べると腸内環境が悪化し体臭がすると心配されている方もけっこういると思いますが、たしかに、肉によって腸内環境が悪化する可能性はあります。

しかし、それは、肉というより赤身の肉に含まれている鉄が悪玉菌の格好の餌となるからです。鉄は善玉菌にも必要なミネラルなのですが、善玉菌より悪玉菌のほうが需要が高く、悪玉菌優勢の腸内環境で鉄の摂取を増やすと善玉菌より悪玉菌が増えてしまうからです。赤身の肉に含まれる鉄も必須ミネラルなので特に閉経前の女性などは摂取する必要があるのですが、まず先に腸内環境を良くしておく事が大切です。また鶏肉など白身の肉は鉄分が少ないので赤みの肉ほど腸内環境を悪化させません。

3.高タンパク食によるアンモニアと硫化水素

タンパク質をとりすぎると体臭がすると心配されている方がいますよね。過剰なタンパク質はたしかに臭い物質であるアンモニアや硫化水素を産生します。これはメチオニンというアミノ酸がメチル化サイクルの中でホモシステインにかわり、そのホモシステインがCBSとCTHという2つの酵素によってシステインに代謝される過程でできる産物です。

アンモニアはアンモニア臭の原因となり、硫化水素はいわゆる硫黄臭(硫化水素臭)の原因となります。

しかし、アンモニアは尿素サイクルにおいてアルギニンになり、さらに一酸化窒素を産生します。その一酸化窒素は、血管を拡張し血流を良くしたり、血管形成を促すなどの良い働きがあります。

↑アンモニアから一酸化窒素ができる

また硫化水素は毒ガスとして有名な化学物質ですが、ごく微量の硫化水素には血管平滑筋、門脈、回腸などの平滑筋組織を弛緩させる作用や、神経細胞を酸化的ストレスから保護する作用や、糖尿病やインスリン抵抗性の改善作用や、抗炎症作用があります。

つまり、アンモニアと硫化水素は過剰になると害があるけれども、どちらもある程度は必要なんですね。ですから、臭いを恐れてタンパク質を減らしすぎるのも駄目です。

もし高タンパク食でもないのにアンモニアが過剰な場合、亜鉛アセチルLカルニチンが効果的かもしれません。またアンモニアを産生する悪玉菌がいるので腸内環境を良くする事もやっておきましょう。

もし高タンパク食でもないのに硫化水素が過剰な場合は、ビタミンB12の一種のヒドロキソコバラミンが効果あるかもしれません

アンモニアと硫化水素の代謝が苦手な人は、まずタンパク質を増やしすぎないようにします。けれど減らしすぎないようにする事も大切です。減らせば良いってものでもなく、その人にちょうどよいタンパク質の摂取量を探す事が大切なんです。

そしてある程度はタンパク質を摂取しながら、亜鉛、アセチルLカルニチン、ヒドロキソコバラミンなどのサプリメントでアンモニアや硫化水素を減らしてみる事をします。もしも、肝臓病や腎臓病などででかなり低たんぱく食にしなければならない場合は、BCAA(分岐鎖アミノ酸)というアミノ酸サプリメントをタンパク質の代わりに摂取すると良い場合があります。

4.ピロリ菌によるアンモニア臭

ピロリ菌は胃酸にとても強い細菌なのですが、それでも酸が弱いほうが生きやすいので、ウレアーゼという酵素を出してアンモニアを産生します。アンモニアは強力なアルカリ性なので胃酸は中和されてピロリ菌にはいい環境となるんですね。

ピロリ菌が産生するアンモニアは胃だけでなく全身に影響を与えますので、アンモニア臭がして胃の調子が不安な人は病院で検査をしてもらうと良いと思います。特に中年以降はアンモニア臭がしなくても胃の検査はしっかりやっておいたほうが良いでしょう

5.消化力の問題

未消化のタンパク質や脂質は悪玉菌によって腐敗し、アンモニアや硫化水素、インドールやスカトールなどの有害物質を生成します。それらの有害物質が腸粘膜から吸収されて肝臓に運ばれ解毒されますが、肝臓の解毒能力が低下していると皮膚や呼気からも臭いがするようになります。

じゃあ、自分の消化力に見合った食事量にすれば良いかというと、そうでもありません。消化のために必要な胃酸や胆汁には殺菌作用があり悪玉菌増殖を防いでいますので、例え自分の消化力に見合った食事量にしたとしても、相変わらず胃酸や胆汁の分泌不足があれば腸内環境が悪化しやすいのです。

ですから、自分の消化力に見合った食事量にする事よりも、胃酸や胆汁をしっかり分泌する事で消化力を上げる事のほうがとても大切です。

胃酸の分泌不足にはベタインHCLという胃酸と置き換え可能のサプリメントを使うのも良いのですが、多くの場合ストレスによって胃酸の分泌が悪くなるので、心理面に取り組む必要があるかもしれません。それから胆汁の分泌にはホスファチジルコリンや胆汁酸などのサプリメントが有効な人がけっこう多いです。

6.歯周病・口腔内嫌気性細菌・唾液分泌不足による口臭

歯周病による口腔内嫌気性細菌は硫化水素やメチルメルカプタンを産生しそれが口臭となります。歯周病は当院ではなく歯科医院で治療してもらいましょう。

※ちなみにタバコを吸っている人は血流が悪いので歯周病の治りが悪いかもしれません。

その他、唾液の分泌が悪いと口腔内嫌気性細菌が活発になります。ストレスなどにより唾液の分泌も低下しますので、自律神経を正常にするようなアプローチが必要になります。また副交感神経を抑制する抗コリン薬の使用やシェーグレン症候群(膠原病の一種)でも唾液は出なくなります。

あとは、口腔内を殺菌するのではなく、口腔内の善玉菌を育てるという方法もあります。そのためにはロイテリ菌などのプロバイオティクスが入った口腔タブレットを寝るまえに舐めるとかするといいかもしれません。

7.皮脂の酸化

皮脂の酸化はミドル脂臭とかオヤジ臭とか言われる臭いの原因です。ミドル脂臭はは抗酸化力の低下やタバコやアルコールやストレスや睡眠不足などによる酸化ストレスの増大が関係していますので、抗酸化物質をサプリメントでがっちり摂取したり、タバコやアルコールやストレスや睡眠不足を改善する事が重要です。

また過剰な皮脂の分泌にはビタミンB郡、その中でも特にリボフラビン、ナイアシン、パントテン酸などが効果的な事が多いです。これらはニキビにも効果があります。

それから、腋臭(ワキガ)はアンモニアや皮脂の酸化などが原因です。これまでに説明した皮脂の酸化とアンモニアの対策をするとよいでしょう。

8.断食や糖質制限によるケトン臭

断食や厳しい糖質制限をするとケトン体というのが増えるのですが、そのケトン体は甘酸っぱい臭いがします。目的があって断食や厳しい糖質制限をやっている人ならケトン臭が出たとしても受け入れる必要があるでしょう。

9.糖尿病や魚臭症などの病気

糖尿病の人は甘い臭いがし、魚臭症の人は魚が腐った臭いがします。

魚臭症は非常に珍しい病気です、その患者はかなり少数です。私のところには、「魚の腐ったような臭いがするからきっと魚臭症です」と、自分で原因を推測してこられる方がたまに来られるのですが、私の検査で魚臭症の原因であるトリメチルアミンに反応した人は今まで一人もいません。

10.精神性発汗

この症状の方は多汗症ということで私の所に時々来られます。そのような方には、心理療法が必要です。また自律神経を落ち着かせる為に栄養療法もとっても役立ちます

11.自臭症

自臭症とは、実際に体臭が無いのに体臭があるという思い込みの症状です。ですから多くの方が、自分が自臭症であるという事を絶対に認めません。例え自臭症を認めなくても心理療法を受け入れてくれたら改善する可能性があるのですが、それも受け入れない人が多いので改善は非常に難しいですね。自臭症には、心理療法だけでなく栄養療法によって自律神経を整える事もとても重要です。

症例

症例1:2~3メートル離れていてもはっきりわかる体臭

体臭でお悩みの方が来院されました。かなり強烈な臭いで、2~3メートル離れていてもはっきりわかる程でした。女性の方だったので、精神的にもかなりお辛いようでした。その方を私が調べてみたところ以下のような反応があり、適切なサプリメントをアドバイスしました。

  • 腸内細菌異常(クロストリジウム・ディフィシル)
  • 回盲弁症候群
  • 胃酸不足
  • 活性酸素

2回目に来院された時は、臭いが半分以下に減ってはいましたが、まだはっきりと体臭がわかる程でした。そして3回目に来院された時は、全くの無臭でした。私は普段、自臭症、あるいはそれらしき方を多くみています。自臭症の方は通院期間が長い方が多いのですが、この方のように実際に強烈な体臭がする方の場合は通院期間が短くてOKな方が多いと思います。(もちろん効果を保証するわけではありませんのでご了承下さい)

症例2:数メートル離れていても臭う魚が腐ったような強烈な体臭

1ヶ月に1回、合計3回の通院で完全に無くなりました。この患者は体臭の治療だけのために宮崎県から東京の当院まで通院されました。このように体臭で本当に悩んでいる患者はかなり遠い所から来られます。

体臭と一番関係のあるのは「腸内細菌異常」です。ですが、強烈な体臭の人は単に乳酸菌を摂取するだけでは改善しません。この患者もそうでした。この患者の腸内細菌異常の原因を当院の検査方法(ARテスト)で調べてみると、カンジダ菌、寄生虫、ビオチン不足でした。腸粘膜障害もありました(カンジダ菌や寄生虫などは腸粘膜を荒らします)。その他、副腎疲労症候群による銅の不足(銅には抗菌作用があります)や胃酸分泌不足などがありました。

2回目に来院された時は、カンジダ菌と腸粘膜障害以外は良くなっていましたが、強烈な体臭が全く変わっていませんでした。(だからカンジダ菌が体臭の最大の原因だったようです)2回目からは通常のカンジダ菌に使う物質ではなく、病原性の強いカンジダ菌のための物質を1日3回摂取するようアドバイスしました。3回目に来院された時はカンジダ菌の反応も無くなりました。そして強烈な体臭は完全に無くなり無臭になっていたので、通院終了にしました。

症例3:家族に「臭い」と指摘される体臭

私には体臭が全くわかりませんでしたが、フィシオエナジェティック®でテストしてみると確かに体臭の原因となる反応がありました。そして、それらを少しずつ解決してゆくと臭いは無くなったそうです。通院回数は11回かかりました。ちなみに患者が効果を感じ始めたのは6回目からです。

私が行ったテストでは、臭いの原因となるアンモニアや硫化水素が過剰にできる体質や、毒素の解毒機能が低いためアセトアルデヒドなどが分解できない体質、それから口臭の原因となる胃粘膜障害などの反応が出ました。他にも、腸粘膜障害、化学物質中毒、重金属中毒(鉛)、精神的ストレス、アレルギー、副腎疲労、活性酸素、細胞膜の問題などがありました。

症例4:生乾きの洗濯物のような体臭

1ヶ月に1回、合計2回で完全になくなりました。症状が出なくなっても根本原因はまだ残っていたので、その後も1ヶ月に1回の頻度で何回か来ていただきました。生乾きの洗濯物のような体臭をARテストで検査してみると、カンジダ菌によって胃が荒れているのが原因でした。ARテストで選んだ精油でカンジダ菌を除菌するようアドバイスしたら、次に来院された時にはすっかり良くなっていました。胃酸分泌不足も胃でカンジダ菌が増える原因でしたので、そのためのサプリメントをアドバイスしました。その他に以下の様な問題が関係していました。

  • 腸内細菌異常(昔、抗生物質を使った時から腸内細菌のバランスが滅茶苦茶になっていたようです。)
  • 口腔のカンジダ菌や口腔内嫌気性細菌
  • 唾液分泌不足・副腎疲労や免疫力低下(悪玉菌が繁殖する原因となります。)

症例5:頭の臭い

「頭からアンモニアのような刺激臭がする」そんな症状でお悩みの方が3回の通院で良くなりました。しかし、こんなに早く良くなるのは稀です。この方の頭の臭いは私にはさっぱりわかりませんでした。しかしフィシオエナジェティック®で調べてみると、たしかに化学物質を解毒できない体質でアセトアルデヒトなどの臭いがする可能性はありました。特に「グルクロン酸抱合」という自然な解毒システムが持病の喘息の薬の服用によって低下しているようでした。

そこで喘息の薬を使いながらもグルクロン酸抱合を増強させるサプリメントをアドバイスし、同時に喘息に対するアプローチも行いました。すると、臭いは無くなり全く気にならなくなったとの事でした。喘息は低メチル化によるアレルギーが原因のようでした。その他、化学物質中毒による脳(の視床)の問題や免疫の暴走による副腎疲労などがありました。