アトピーや乾癬などの皮膚疾患について
当院ではフィシオエナジェティック®によって症状の原因を調べています。フィシオエナジェティック®では、腕の長さの変化となって現れる体の反応を読み取りながら治療を進めていきます。これをARテスト(腕長反射)と言います。
※当院では医師のような病気の診断や医療行為はできません。フィシオエナジェティック®はあくまで代替療法であり、現代医学で認められていない事をご了承下さい。
症例
乾癬の症例1
↑2018年6月17日
↑2019年6月30日
↑2019年10月22日
乾癬の症例2
アトピーの症例
免疫の状態を理解するのに必要なT細胞について
免疫の司令塔であるT細胞は、Th1細胞、Th2細胞、Th17細胞という3つに分類する事ができます。この3つの細胞の事をエフェクターT細胞といいます。どの細胞も元はナイーブT細胞から分化した細胞です。
- 乾癬などの自己免疫疾患はTh1細胞やTh17細胞が活性化し過ぎています。
- アトピー性皮膚炎など急性期のアレルギー疾患はTh2細胞が活性化し過ぎています。しかし、慢性期の炎症部位ではTh1細胞も増加する事がわかっています。
私のARテストではどのエフェクターT細胞が活性化しすぎているのかを調べ、その活性化に対するてセラピーに優先順位があるのか? もし優先順位があるとしたら、身体構造、生体化学(栄養療法)、精神心理、情報、チャクラ・サトルボディの中から、どのセラピーを行う必要があるのか。などと調べてゆきます。
Treg細胞は、免疫を抑制する働きがあり免疫の暴走を防いでいます。しかしTreg細胞の働きが強すぎると免疫力が低下し、ガン細胞や病原体の増殖を許してしまいます。
腸内環境の問題について
リーキーガット
リーキーガット(Leaky Gut)を直訳すると、「腸もれ」になります。Leaky が漏れやすい、Gut が腸とか消化管という意味です。LGSとか腸管壁浸漏症候群とも言います。
リーキーガット症候群とは、腸粘膜の障害により、正常なら腸から吸収されない未消化の食物や毒素・有害物質などが吸収され血中に入ることで様々な症状を引き起こす現象を言います。
リーキーガット症候群の事は「腸に穴があく」と説明される事が多いのですが、これは非常に誤解しやしい表現なので私は使いません。
実際には、腸の細胞と細胞をくっつけているタイトジャンクション(密着結合)という部分が壊れてしまい、細胞と細胞の隙間から未消化物や毒素やバクテリアなどが体内に入り込むようになった状態をリーキーガット症候群(LGS)といいます。
↑タイトジャンクション(密着結合) 画像はウィキペディアより
ちなみに、本当に胃や腸に穴が開く状態は「穿孔(せんこう)」といって、もっと恐ろしい病気で入院が必要です。
タイトジャンクションのような粘膜にあるバリア機能は他にもあります。
まず上皮細胞の一つである杯(さかずき)細胞が分泌するムチンという粘液。それから、小腸のパネート細胞が分泌する抗菌ペプチド。そして形質細胞が分泌する免疫グロブリンA(s-IgA)などです。
粘膜のバリアが壊れているために吸収されてしまった未消化の食物はマクロファージという免疫細胞に食べられます。また毒素・有害物質は肝臓に運ばれ無毒化されます。
しかし、全身に異物侵入の警告サインを出すことにより免疫細胞が過剰に活性化させます。そ の結果、アレルギーや自己免疫疾患を引き起こしたりします。またマクロファージは未消化の食物などの異物が増えすぎて食べきれなくなって、ウイルス などの外敵をちゃんと攻撃できなくなります。
※リーキーガットについてはこちらのページでさらに詳しく解説しています
腸内細菌異常
善玉菌が作り出す短鎖脂肪酸や善玉菌の菌体成分が免疫系に良い効果をもたらします。
- 短鎖脂肪酸の作用
- 善玉菌が作り出す短鎖脂肪酸(酢酸・酪酸・プロピオン酸・乳酸)が腸内を適度に酸性化し、悪玉菌が住み着きにくくなります。
特に大腸においては腸粘膜の細胞のエネルギー源となり腸粘膜を丈夫にします。
膵液や消化酵素の分泌を促する事で未消化物を減らします。これは大腸粘膜にある短鎖脂肪酸受容機構が短鎖脂肪酸を感知すると自律神経系を通じて間接的に膵臓からの分泌を促すのではにかと考えられています。 - 善玉菌の菌体成分の作用
- 善玉菌の菌体成分が腸管の免疫細胞によって認識され免疫系を調整するからです。なので、生きた菌じゃなくても死菌でも効果があります。さらに生きた菌より死菌のほうが効果があるという事もわかっています。(薬局にある「ビオフェルミン」も死菌です。)
- 腸内細菌およびプロバイオティクスの菌体成分は腸管の樹状細胞によって認識されます。
- 次に、その情報が免疫の司令塔であるT細胞に提供されます。
- そして、その情報を元にT細胞が免疫を調整するという流れになっています
パターン認識受容体の代表的なものがトル様受容体(TLR)です。ヒトでは現在までに10種類のTLR(TLR1~10)の存在が確認されていて、例えば、TLR2は乳酸菌などのグラム陽性菌の菌体成分を認識し、TLR4は大腸菌などのグラム陰性菌の菌体成分を認識する事がわかっています。
善玉菌を増やすサプリメントとしてプレバイオティクスとプロバイオティクスがあります。
- プレバイオティクスは「善玉菌の餌」の事で、オリゴ糖や食物繊維などの事を言います。
- プロバイオティクスは、「善玉菌そのもの」の事で、乳酸菌サプリやヨーグルトなどの事を言います
どちらも効果的ですが、私はまずプレバイオティクスから選び、プレバイオティクスの中に良いものがなかった場合だけプロバイオティクスから選びます。しかしほとんどプレバイオティクスだけで事足ります。
悪玉菌を除菌するハーブサプリメントを使わずプレバイオティクスだけでも悪玉菌を除菌できる場合もありますが、ある程度悪玉菌が優勢な状態だと除菌用のハーブサプリメントが必要になってきます。
腸内環境が悪化する原因は、抗生物質、ホルモン剤、痛み止めの薬、重金属中毒、ストレス、消化不良による未消化物、甘い物中毒、アルコール、それから鉄分などです。(善玉菌も鉄を必要としますが悪玉菌のほうが善玉菌より鉄を多く必要とします)
※腸内細菌異常についてはこちらのページでさらに詳しく解説しています
カンジダ
カンジダ菌はだれにでも住み着いている常在菌の一種です。カンジダ菌が問題になるのは、他の菌とのバランスを崩すほど増えすぎた時です。
カンジダは腸粘膜を荒らしたり、様々な毒素を作り出す事で免疫系を狂わせます。
↑菌糸形のカンジダ・アルビカンスが粘膜に侵入しているところ。(画像はこちらより)
カンジダ菌は死ぬときに、今まで抱えていた重金属や有害化学物質を放出するため、解毒機能が低下している人が安易に除菌すると調子が悪くなる事があります。なので、解毒機能が低下している人は、まず解毒できる体質にする事を優先しなければなりません。
※カンジダについてはこちらのページでさらに詳しく解説しています
胃酸不足
小腸の上部は胃から流入する胃酸によって適度に酸性化しているため細菌は定着できません。しかし、何らかの原因により胃酸が不足すると小腸の酸性度が低下して細菌が定着しやすくなります。そして小腸内細菌が増殖した状態がSIBO(小腸内細菌異常増殖症)です。この状態になると多量のガスを産生し腹部膨満感などの症状がでます。また大量のガスが胃を圧迫する事により食道裂孔ヘルニアや胃酸逆流が起こります。
胃酸が不足する原因としては胃酸を抑える薬を飲んでいたり、胃粘膜が炎症していたり、ピロリ菌が産生するアンモニアによって胃酸が中和されていたり、ストレスなどが関係しています。
根本原因である炎症やピロリ菌やストレスに対処する必要がありますが、とりあえずの対策として胃酸や消化酵素のサプリメントを使います。炎症がある場合は胃酸のサプリメントは使わず、グルタミンやクルクミンや亜鉛などのサプリメントで胃粘膜を修復する事を優先する必要があります。
※胆のう摘出や慢性膵炎などのため胆汁や消化酵素の分泌が不足している事もSIBO(小腸内細菌異常増殖)の原因となります。
※食道裂孔ヘルニアや胃酸逆流はストレスによる自律神経障害により胃の運動機能(胃排出能)が低下している事も大きな原因となります。その場合は心理療法が必要かもしれません。
気道や鼻腔の粘膜免疫
ウイルスや病原菌の侵入を防ぐ第1の防御機構が粘膜(粘膜免疫)です。特に皮膚炎の場合は皮膚のバリア機能の強化が必要です。 粘膜免疫を強化するには、ビタミンA、ビタミンD3、亜鉛、L-グルタミン、タンパク質などが必要です。
特にビタミンAとビタミンD3は粘膜(や皮膚)を丈夫する栄養素であり、粘膜や皮膚のトラブルがある人には不足している人が多いビタミンです。
過去の栄養学では、ビタミンAは緑黄色野菜を食べていればβカロチンから変換されるからビタミンAを直接摂取しなくても大丈夫と言われてきました。またビタミンDは日光によって合成されるから不足する事はほとんど無いと言われてきました。しかし、実はそうではなく、割と多くの人にビタミンAとDが不足しているのがわかっています。
また、遺伝的要因でプロビタミンAからビタミンAに変換する能力が低い人もいます。この場合はビタミンAを直接摂取する必要があります。
粘膜を守る抗体:IgA(免疫グロブリンA)について
IgAとは抗体の一種です。細菌やウイルスなどの抗原にくっついて、そのまま排出される事で、粘膜を守っています。
IgAがダントツに多く分泌されているのは腸ですが(全身のIgAのうち80%が腸にあります)、腸だけでなく、膣や目や喉や鼻など全身のあらゆる粘膜から分泌されていて粘膜を守っています。このような粘膜の保護機能を粘膜免疫といいます。
このIgAは睡眠不足や精神的ストレスで減少します。特にストレスと関係が深いので、ストレスマーカー(ストレスの度合い)として膵液中のIgAを調べる検査もあるくらいです。
ですから、ちゃんと寝て、減らせるストレスがあれば減らすか、心理療法を受けてストレス耐性を高める事がIgAを増やし粘膜免疫を強化する事になります。
また、IgAはビタミンAとグルタミンによって増やす事ができます。
とくにグルタミンは、IgAを分泌する免疫細胞のエネルギー源となるだけでなく、粘膜の細胞のエネルギー源でもあるので粘膜を修復し強化するのにも役立ちます。
気分転換程度の適度な運動をするとIgAの分泌が増加します。逆に激しい運動をするとコルチゾールなどのストレスホルモンの分泌が多くなり、免疫機能を抑制する事がわかっています。ですから激しい運動をするアスリートなどはグルタミンの摂取が大切になってきます。
ビタミンAは獲得免疫にも重要
ビタミンAは免疫機能を獲得するために重要なリンパ球ホーミングにも関係しています。
最初にリンパ球は骨髄や胸腺で誕生します。そしてリンパ球は腸管などに移住します。そして、移住先では「ここがまた戻ってくる場所だよ!」という帰巣性(ホーミング)が刷り込まれます。その後、免疫の勉強をするために全身を循環しますが、帰巣性によりまた最初の場所に戻ってきます。これがリンパ球ホーミングです。
リンパ球ホーミングにおいてビタミンAが関係する臓器は腸です。腸間膜リンパ節や小腸パイエル板に存在する樹状細胞が、ビタミンAからレチノイン酸を合成し、レチノイン酸を使ってリンパ球がまた小腸に戻ってくるように刷り込みます。
ですから、免疫機能に異常がある場合、ビタミンAを調べる事は重要です。
オメガ3とオメガ6の脂肪酸のアンバランス
アトピーにはオメガ3とオメガ6の脂肪酸のアンバランスが関係している事があります。
主に獣肉の脂に含まれるアラキドン酸という脂肪酸やサラダ油などの植物油に多く含まれるリノール酸はオメガ6系の脂肪酸で、炎症を促進するプロスタグランジンE2の材料となります。なので獣肉の脂やサラダ油を減らす事が必要になります。しかしだからといってベジタリアンやビーガンのように肉を完全にカットしてしまうと肉に特徴的な栄養素(例えばメチオニンやビタミンB12など)が不足してしまうので、脂肪分の少ない肉を選んだり、茹でて脂肪を落とすなどの工夫をして食べる事をおすすめします。
それに対して、抗炎症作用があるプロスタグランジンE3はEPAから合成されます。なので、EPAを含む魚や、EPAに変換されるαリノレン酸を含むアマニ油・シソ油・えごま油・インカインチオイル・チアシードなどオメガ3系の脂肪酸を摂取すると抗炎症作用が高まります。
しかしαリノレン酸からEPAに変換するには亜鉛・マグネシウム・ビタミンBなどが必要である事とストレスや高血糖など様々な要因によって抑制されている事が多いので、私としてはαリノレン酸より魚からEPAを直接摂取したほうが良いと思います。また水銀を多く含む大型魚ではなく小型魚から摂取するか、水銀を含んでいないEPAあるいはフィッシュオイル・クリルオイル(オキアミオイル)などのサプリメントを摂取すると良いでしょう。
またEPAはジホモガンマリノレン酸からアラキドン酸への変換を抑制する働きがあり、こちらの働きのほうでも炎症を抑制します。
それから、オメガ6系の脂肪酸であるボラージオイルや月見草オイル(イブニングプリムローズオイル)などに含まれているガンマリノレン酸(GLA)が抗炎症作用のあるプロスタグランジンE1変わるので月経困難症に有効かもしれません。ただし、図を見ていただければわかりますが、ガンマリノレン酸はジホモガンマリノレン酸とアラキドン酸を経てプロスタグランジンE2にも変わるので、私はあまり使う事はありません。(しかし有効な人もいるかもしれません。)
女性ホルモンの分泌異常
免疫反応は女性ほうが強い事がよく知られています。
そのため、リウマチなどの自己免疫疾患や、激しいアレルギー反応のアナフィラキシー、ワクチンの副反応などは女性のほう起きやすいのです。
男性より女性のほうが免疫反応が強い原因には女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロラクチンが関係しています。その反対にコルチゾール、男性ホルモン、プロゲステロン(黄体ホルモン)は免疫力を低下させる働きがあります。
これらの内分泌系の異常に対して、栄養療法の基本的な事、つまり毒素排出や腸内環境改善や活性酸素対策に加えて心理療法が重要になってきます。
メラトニンについて
メラトニンは夜寝る時間帯に暗くすると松果体から分泌されるホルモンです。睡眠ホルモンとしてよく知られていますが、性腺刺激ホルモンを抑制する作用があるので女性ホルモンの分泌異常にもかなり関係しています。
メラトニンが免疫をどのように調節するかはまだ良くわかっていません。一部の研究者はメラトニンが免疫増強効果があると説明していますが、他の研究では免疫抑制効果がある事も報告されています。ある研究者は免疫が抑制された状態においては、免疫を活性化させる方向に働く一方、急性炎症反応などで免疫活動が高まった状態においては、免疫を抑制する方向に働くという免疫調節作用を有していると主張しています。
メラトニンの前駆物質は幸せホルモンとも言われるセロトニンです。さらにセロトニンの前駆物質は5-HTPで、5-HTPの前駆物質はトリプトファンというアミノ酸です。トリプトファンからメラトニンまでの代謝には、鉄、葉酸、ビタミンB6、ビタミンD、マグネシウムなどの栄養素が必要ですが、活性酸素や重金属や化学物質(特にフッ素)やカンジダなどの腸内環境の悪化やストレスや電磁波などの問題があるとトリプトファンからメラトニンまでうまく代謝されません。
プロラクチンの過剰分泌について
プロラクチンの過剰分泌の原因としてまず甲状腺機能低下やドーパミン分泌不足が考えられます。(その他、下垂体腫瘍などがあります)
甲状腺機能低下になると視床下部からTRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)を過剰に分泌して何とか甲状腺ホルモンを分泌させようとします。しかし、TRHはプロラクチンを分泌させるホルモンでもあるため高プロラクチン血症となります。
甲状腺機能低下の原因として、毒素(重金属・化学物質)や腸内環境(リーキーガットや腸内細菌異常)、活性酸素など栄養療法の基本的な事の他に、低血糖や低中性脂肪などのエネルギー源の不足やミトコンドリア機能低下によるエネルギー合成能低下、甲状腺ホルモン合成に必要な栄養素の不足などが関係しています。低血糖や低中性脂肪にはストレスによる副腎疲労も大きく関係しています。
※甲状腺機能低下についてこちらのページでさらに詳しく解説しています。
またドーパミンの分泌不足に対しては栄養療法と心理療法の両方が必要になる事が多いです。
重金属・化学物質による免疫毒性
重金属や化学物質などの環境毒素などの暴露により免疫系に悪影響を及ぼす事を「免疫毒性」と言います。
私達の身体に有害物質が蓄積するのは、身体が本来もっているはずの自然な解毒システムの許容量を超えた量の有害物質を取り込んでいるからです。
すから、身体が本来もっているはずの自然な解毒システムをサポート&強化して、解毒できる許容量を増やす事が根本的なデトックスのあり方なのです。そして、その方法であれば安全で体調を崩す事もありません。
では自然な解毒システムには次のようなものがあります。
- グルタチオン抱合
- 硫酸抱合
- グルクロン酸抱合
- シトクロームP450(肝臓のフェーズ1の酵素)
その他に排泄器官である腎臓と腸も重要です。
※本来の排泄器官である腎臓や腸から排泄ができなくなると、本来は排泄器官ではない皮膚や肺から、汗や呼気となって排泄されるようになります。(皮膚炎や臭いの原因)
これらの解毒システムを常にサポート&強化する事で安全にデトックスする事ができ、再び有害物質が蓄積する事もありません。
※重金属・化学物質の解毒(デトックス)についてはこちらのページでさらに詳しく解説しています。
病巣感染
病巣感染とは「身体のどこかに限局した慢性感染病巣(原病巣)があって、それ自体は無症状か軽微な症状を呈するに過ぎないが、しかしこれが原因になって原病巣とは直接関係のない遠隔の諸臓器に反応性の器質的あるいは機能性の障害を起こす病像、いわゆる二次疾患をさす」と定義されています。
特に副鼻腔、口蓋扁桃、上咽頭、顎骨(神経を抜いた歯の根っこ)、胆嚢、虫垂などがチェックポイントです。
↑副鼻腔炎の画像。画像の右が白く見えるところ。(画像はウィキペディアより)
特に顎骨病巣感染がやっかいでしょう。顎骨病巣感染では、顎骨が腐敗したり膿が溜まっていて、そこから常に全身に毒素がばら撒かれる状態となります。
しかし、病巣感染した所は、ほとんど無症状か軽い痛みや違和感がある程度です。
顎骨の病巣感染が起きる原因は、歯の神経を抜いたり、抜歯した跡の治癒が不完全だったり、打撲などの外傷や血行不良などです。顎骨の病巣部位は、歯根の中がどろどろに溶けて液状になっていたり、骨が腐ってぐずぐずになっていたり、骨が無くなって炎症性の肉の塊になったりしています。
顎骨病巣を見つけたら歯科治療が必要ですが、顎骨病巣を認識している歯科医師が非常に少ないのが現状です。普通の歯科医院に行っても全く話が通じないか、通じたとしても治療してもらえないでしょう。
ストレスと免疫の関係
ストレスは様々な免疫疾患と関係している事がよく知られています。
- コルチゾールはストレスに反応して副腎から分泌される抗ストレスホルモンです。免疫力を低下させる働きがありますが、長期間ストレスに晒されると副腎が疲労して、コルチゾールを十分に分泌できなくなります。そうなるとアレルギーや自己免疫疾患を起こしやすくなります。
- 免疫系の最初の砦は粘膜と皮膚ですが、消化管などの粘膜を病原体や毒素から守っているのが分泌型IgA(免疫グロブリンA)という抗体です。またパネート細胞から分泌されるディフェンシンという抗菌ペプチドも粘膜を守っています。この分泌型IgAやディフェンシンはストレスによって分泌が低下します。なので、ストレスによって粘膜という免疫系の最初の砦が脆弱なものになります。
- ストレスによって免疫増強作用があるプロラクチンの分泌が亢進します。プロラクチンは抗ストレスホルモンとしての働きもあるからです。さらにプロラクチン分泌を亢進する因子となる甲状腺機能低下やドーパミン不足にもストレスが関係しています。
当院にはリウマチや乾癬など難しい免疫疾患の方も来院されていますが、大抵、ストレスが大きく関係しています。
心理療法を開始するにあたり、まず私が提案しているのが精神的・肉体的負荷を降ろすという事です。栄養・睡眠・気分転換・心理療法などでストレスのアウトプット(処理能力)を高めても、インプットが大きすぎると良くならないからです。例えば、このような精神的・肉体的負荷がないでしょうか?
- 仕事・勉強が忙しすぎて時間が足りない
- 介護疲れ
- 育児疲れ
- 上司からパワハラ・暴言・人格否定されている
- 同居している義理の親や夫のモラハラが酷い
- 親がいつも不機嫌だったり、心配しすぎて落ち込んでいる →子供のストレスです
もしあれば、仕事を減らす、介護や育児を他の人に手伝ってもらう、転職・休職する、別居するなどして、精神的、肉体的負荷を減らす事から始めたほうが良いでしょう。
子供の場合は、親の自律神経が落ち着いていない事が大きなストレスになっている事が多いので、まず先に親がセラピーを受ける事が必要かもしれません。また親の期待が子供にとって大きな負荷となっているのであれば、それを親が取り除く事も必要です。
私の心理療法では、まず安心・安全を感じて、「今ここ」という感覚をしっかり感じられるようなセラピーを行います。同時に、自然を感じたり、軽い運動や散歩などをして気分転換を上手にできるように少しずつ変化させてゆきます。
そこから次第にトラウマに取り組み始めますが、状態が酷い場合はトラウマ的課題には取り組みません。
私の心理療法のやり方についてはこちらのページに詳しく書いています。
電磁波と皮膚疾患について
電磁波は周波数帯によって低周波と高周波に分類する事ができます。
高周波 →Wi-Fi(2.4GHzや5GHz)やモバイルデータ通信(3Gや4Gや5G)などの電磁波。
低周波 →家電やパソコンなどの電磁波。電場と磁場の2種類あります。
私の臨床経験では皮膚炎や関節炎などは低周波の電磁波や静電気が関係している人が多いという印象です。
そして高周波の電磁波は、枕元にスマホを目覚まし代わりに置いて寝ている事が睡眠障害と関係しているケースがよくあるなぁという印象です。
電磁波を避ける方法として、
電場や静電気は家電やパソコンをアースにつなぐとほとんど消えます。あるいは自分の身体をアーシングマットなどを使ってアースする方法も良いでしょう。また静電気は部屋の乾燥を避け、水分補給をし、帯電しやすい素材の服(特にウールとフリースの重ね着)を着ないようにしても対策できます。磁場はアースでは対応できませんが発生源から少し距離をとるだけで消えます。
高周波はスマホやルーターを遠ざける。あるいはルーターのスイッチを寝る時はオフにするなどの対策が基本です。
その他に、低周波にも高周波にも効果がある方法として、パワーストーン(ローズクォーツなど)や幾何学模様を使ってエネルギー的に電磁波の影響を中和するという方法もあります。少し高価ですがミニレヨネックスという商品も良いかもしれません。
しかし、私が電磁波を避けるよりももっと重要だと考えている事は、人並みのレベルまで電磁波の耐性をあげるという事です。
あくまで私の観察にしかすぎませんが、電磁波に耐性がない人は細胞の状態(細胞膜やミトコンドリア)をARテストでよく調べて対策をすると電磁波の耐性があがるようです。
※フィシオエナジェティック®では電磁波は情報(インフォメーション)という分野のセラピーになります。
※電磁波対策についてはこちらのページに詳しく書いています
遅延型アレルギー検査はやっても無駄
血液検査によるアレルギー検査で信頼性が高いのは、卵と牛乳、ピーナッツや小麦の一部タンパク質などだけで他は信頼性が低いという事がわかっています。ですから即時型アレルギー(IgEが関与)の場合は、血液検査や皮膚テストはあくまで参考程度にして、実際に口にして症状が出るか確認する経口負荷試験で判断するのが確実とされています。
しかし遅延型アレルギーの場合は、食べてもすぐに症状が出ないので経口負荷試験による確認が困難です。食べ物の抗原特異的IgG抗体を血液検査で測定する「遅延型アレルギー検査」は、欧米の学会から完全に否定されています。具体的には以下の様な団体が公式に否定します。
- 欧州アレルギー臨床免疫学会議(EAACI)
- アレルギーぜん息&免疫学アメリカンアカデミー(AAAAI)
- カナダアレルギー臨床免疫学会(CSACI)
- 日本小児アレルギー学会
ストイックな人は、この全く無意味な遅延性アレルギー検査によってアレルギーと判明した食品を完全に除去しようとします。そして食べるものが無くなり栄養失調になって以前より体調が悪くなったり、ストレスを強く感じて精神的に不安定になっている人もいます。(実際に当院にそのような方が何名も来院されています。)
遅延性アレルギー検査でたくさんの食品が陽性になる場合は、その食品にアレルギーがなくても、リーキーガット症候群の可能性が高いようです。実際に、病院によってはアレルギーの検査として行わずにリーキーガットを推測するための検査として行っているようです。しかしリーキーガットを調べたい時は、よりリーキーガットに適した「ゾヌリン検査 」というものがあります。